本郷三丁目の交差点から、春日通りを湯島方面へ歩くと、
由緒ありげな灰白色をしたゴシック調の建物に気づきます。
本三通信第6回は「日本基督教団 本郷中央教会」です。
編集部のすぐ近くにあり、はじめて見たときにカッコイイと思ったのですが、
あとから国指定の登録有形文化財と知りました。
文化庁のデータベースを見てみると、
登録されたのは1998年12月、ちょうど12年前です。
もちろん建物自体はずっと古く、1929年(昭和4)に建てられたそうです。
教会のサイトによれば、この地に教会が建てられたのは、1890年、明治半ばのころ。
カナダの宣教師が設立し、
布教というよりは、多くの人々に救いを、という思いで作られたことから、
名称も「中央教会」ではなく、「中央会堂」としたそうです。
ちなみに夏目漱石の小説「三四郎」のラスト前
「三四郎と美禰子はかようにして別れた」場所が、この教会です。
夏目漱石のほか、本郷は文豪たちと縁が深いところで、
その辺りも、いろいろと紹介できたらいいな、と思っています。
話は戻りますが、1923年9月1日、
関東大震災によって、会堂は消失しました。
当時の会堂はテント型をした大屋根の木造建築だったそうです。
その後、前述のように6年経ってからいまの教会が建てられました。
朝方、教会の前には自転車で子どもを連れたお母様方をよく見ます。
というのも、ここの中は「中央会堂幼稚園」という幼稚園になっていて、
これは最近の話なのかなと思っていましたら、
震災の約半年後には、すでに幼稚園として運営されていたとのこと。
さて、実は教会の向かって左隣の2棟も、古めかしい洒落た建物になっていて、
そのうち1件も本郷中央教会と同じく登録有形文化財に指定されています。
他にも文京区内には、東大の安田講堂をはじめ、51棟の登録有形文化財があるそうです。
時間のあるときに、ゆっくり巡ってみたいですね。